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日本人ディレクター案件実績

オフショア開発に日本人PMは必要か?案件事例から見る効果と役割

2026.5.15

オフショア開発に興味はあるものの、「コミュニケーションは円滑に進むのか」「品質や進行管理は大丈夫なのか」といった不安から、導入に踏み切れない方も少なくありません。

弊社モアアジアでは、そうした不安を解消するため、日本人ディレクターがプロジェクトに参画し、要件整理から進行管理、品質担保まで一貫して伴走する体制を整えています。
以前公開した「オフショア開発におけるディレクション業務とは?」では、日本人ディレクターが参画するメリットや、日本人ディレクターがいなくても進行可能なプロジェクトの考え方についてご紹介しました。

本記事では、実際に弊社の日本人ディレクターが参画したオフショア開発案件の事例をご紹介します。具体的な案件を通じて、弊社の開発体制や、オフショア開発を成功に導くための取り組みを感じていただければ幸いです。

日本人ディレクターが参画したプロジェクト事例

医療機器部品の生産管理システム

案件概要
医療機器メーカーにおける部品の生産管理を行うシステムの刷新案件。
既存の生産管理システムは長年運用されてきたものの、使用している技術が古く、現在では保守・改修が困難な状況でした。加えて、当該システムを把握している担当者が退職することにより、属人化が大きな課題となっていました。
そこで、保守性の高いプログラミング言語への移行を行うとともに、Web化およびクラウド化を進め、将来的にも安定して運用・拡張が可能な生産管理システムへマイグレーションを実施しました。

なぜ日本人ディレクターが参画したのか
お客様側の案件担当者が必ずしもシステムに詳しい立場ではなかったため、単なる機能要件のヒアリングだけではなく、日々の業務フローや業務背景を踏まえた要求事項の整理が必要でした。
日本の業務慣習や現場運用への理解を持つ日本人ディレクターが参画し、業務内容や課題を丁寧にヒアリングした上で要件を整理・言語化し、開発チームへ正確に伝える役割を担いました。
これにより、お客様の意図を取り違えることなく、実運用に即したシステム設計を実現しています。

日本人ディレクターが介入したことによる効果
日本人ディレクターが要件定義および基本設計の段階から参画したことで、業務内容やお客様の意図を正確に整理した上で開発を進めることができ、初期工程からスムーズな対応を実現しました。
また、日本人ディレクターが窓口となることで、言語や認識の違いによるコミュニケーション上のズレを最小限に抑え、要件の解釈違いや手戻りの発生を防ぐことができました。

開発体制
日本人PM0.5 / BSE0.5 / エンジニア2名

開発期間
8ヶ月

経営層向けの建設現場管理システム

案件概要
経営層が建設現場の状況を一元的に把握するための、建設現場管理システムの構築案件。
本システムでは、建機メーカーが提供するIoTデータを連携し、各建設現場の稼働状況をリアルタイムで可視化しています。
具体的には、地図上で建機の配置や稼働状況を確認できる機能をはじめ、現場ごとの天候情報の表示、ライブカメラによる建設現場の状況確認などを実装。
これにより、経営層が現場へ赴くことなく、複数の建設現場の状況を俯瞰的に把握し、迅速な意思決定を行える環境を実現しました。

なぜ日本人ディレクターが参画したのか
当初、ベトナムメンバーのみで進行していましたが、開発の進め方や意思決定のプロセスに課題があり、進行管理や要件整理の面で改善が必要な状況でした。
そこで、日本人ディレクターが参画し、開発プロセス全体の整理や見直し、フローの再構築を行いました。体制を立て直すことで、以降の開発を安定的かつ効率的に進められる状態を整えました。

日本人ディレクターが介入したことによる効果
日本人ディレクターが参画したことで、お客様と協議しながら、さまざまなミスを未然に防ぐための開発プロセスを仕組みとして整理・決定することができました。
また、決定したプロセスが形だけで終わらないよう、各工程で適切に実行されているかを継続的に確認・管理することで、品質の安定化と手戻りの抑制を実現しました。

開発体制
日本人PM0.2 / BSE1.0 / エンジニア2.0 / テスター2.0

開発期間
2年4ヶ月

オンライン診療システム

案件概要
オンライン診療システムにおける機能追加および保守運用を担当した案件で、管理用のWEBサイトとスマホアプリで構成されています。
当初は別ベンダーにより開発・運用されていた既存システムを引き継ぎ、既存機能の保守対応に加え、新機能の追加開発やリリース作業、運用全般を継続的に支援しています。

なぜ日本人ディレクターが参画したのか
本案件は医療分野のシステムであり、保険診療をはじめとした日本特有の法律・制度・運用ルールが数多く関係するため、仕様の解釈違いや認識のズレが大きなリスクとなる案件でした。
そのため、日本の医療制度や業務慣習への理解を持つ日本人ディレクターが参画し、仕様を正確に理解・整理した上で開発チームへ伝える体制を構築する必要がありました。

日本人ディレクターが介入したことによる効果
機能追加における仕様確認の段階から日本人ディレクターが関与することで、仕様や要件の解釈違いに起因する不具合は、これまでほとんど発生していません。
仕様齟齬を未然に防ぎ、医療システムとして求められる品質を担保しながら、安心して開発を進められる環境を実現しました。

開発体制
BSE / BE / FE / iOS / Android / テスター
全体で月に74時間の保守

開発期間
2年7ヶ月~(継続中)

レガシーシステムのリバースエンジニアリング(仕様書作成)

案件概要
20年以上にわたり運用されてきたレガシーシステムを対象に、ソースコードを解析し、仕様書を新たに作成するリバースエンジニアリング案件。
画面定義、データベース定義、バッチ処理定義、ファイル定義の4つのスコープに分けて、
既存システムのソースコードをひとつひとつ解析し、仕様をドキュメント化しました。
システム規模が非常に大きく、最終的に作成した仕様書は約650本に及びました。

なぜ日本人ディレクターが参画したのか
最終的な成果物である仕様書は、日本語であることに加え、プログラムの仕組みが分からない担当者でも理解できる粒度で記載することが求められていました。
そのため、日本人ディレクターが参画し、納品物の日本語表現のチェックだけでなく、微妙な言い回しやニュアンス、記載内容の網羅性・粒度が適切かどうかを最終的に確認。誰が読んでも正しく理解できる仕様書として仕上げる役割を担いました。

日本人ディレクターが介入したことによる効果
エンジニアは、まずベトナム語で仕様書を作成し、その後日本語へ翻訳する形でドキュメント化を進めました。翻訳直後の段階では、日本語表現や記載内容の粒度にばらつきが見られる部分もありましたが、日本人ディレクターが最終チェックを担当することで、表現の統一や内容の精度向上を図りました。
その結果、品質を一定水準に保ちながら、全650本に及ぶ膨大な数の仕様書を無事納品することができました。

開発体制
日本人PM1.5、BSE2.25、エンジニア16.0

開発期間
6ヶ月間

日本人ディレクターが特に効果を発揮するケース

これまでご紹介した事例から、日本人ディレクターが特に効果を発揮しやすいプロジェクトをまとめてみました。以下のようなケースでは、日本人ディレクターが参画することで、オフショア開発における不安やリスクを大きく軽減することが可能です。

業務要件が固まっていない、または業務理解が必要な案件

業務フローや運用ルールが明文化されておらず、ヒアリングを通じて要件を整理する必要がある案件では、日本人ディレクターの参画が有効です。
日本の業務慣習や現場の実情を踏まえながら背景まで丁寧にヒアリングし、開発チームが理解できる形で要件を言語化することで、認識のズレを防ぎ、実運用に即したシステム設計につなげることができます。

日本独自の法律・制度・商習慣が関係する案件

医療、建設、会計・人事など、日本特有の法律や制度、商習慣が関係する分野では、仕様の解釈違いが大きなトラブルにつながる可能性があります。
日本人ディレクターが参画することで、制度や運用ルールを正確に理解した上で要件整理を行い、開発チームへ正しく伝達することが可能となります。

既存システムの引き継ぎやリプレイス案件

既存システムの仕様が十分に整理されていない場合や、担当者の退職により属人化が進んでいる案件では、要件の把握そのものが大きな課題となります。
日本人ディレクターが全体を俯瞰しながら仕様整理や優先順位付けを行うことで、開発の方向性を明確にし、安定したプロジェクト進行を支援します。

ステークホルダーが多く、意思決定が複雑な案件

経営層・現場担当者・開発チームなど、関係者が多いプロジェクトでは、認識の違いや意思決定の遅れが発生しやすくなります。
日本人ディレクターが窓口となり、情報を整理・調整しながら合意形成を進めることで、スムーズな意思決定と開発推進を実現します。

一方で、要件が明確で仕様変更の少ない案件や、小規模な開発では、必ずしも日本人ディレクターが必要でないケースもあります。
プロジェクトの特性に応じて最適な体制を選択することが、オフショア開発を成功させるための重要なポイントと言えるでしょう。

まとめ

今回は、日本人ディレクターが参画したオフショア開発案件の事例を通じて、その役割や効果についてご紹介しました。

いずれの事例においても共通しているのは、日本人ディレクターが単なる翻訳や連絡役ではなく、お客様の意図や業務背景を正しく理解し、開発チームへ橋渡しする役割を担っているという点です。

日本人ディレクターが要件整理や進行管理、品質確認の段階から関与することで、
・認識のズレや仕様解釈違いの防止
・手戻りの削減による開発効率の向上
・日本特有の業務・制度に対応した品質の担保
といった効果が期待できます。

オフショア開発はコスト削減だけを目的とするものではなく、体制や進め方次第で、高い品質と安定した開発を両立することが可能です。日本人ディレクターの参画は、その成功確率を高めるための有効な選択肢の一つと言えるでしょう。

オフショア開発の導入や体制設計に不安をお持ちの方は、ぜひ一度弊社モアアジアにご相談ください。
プロジェクトの特性や課題に応じて、最適な開発体制をご提案いたします。

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