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ベトナムオフショア開発で日本品質を実現する5つの秘訣

2026.2.16

近年、IT人材不足や開発コスト高騰を背景に、ベトナムオフショア開発を検討する日本企業が増えています。一方で、「品質は本当に大丈夫なのか」「過去に失敗した話を聞いて不安」「日本品質はベトナムでも実現できるのか」「ベトナム人エンジニアにどこまで日本基準の細やかさを求めていいのか?」といった懸念の声が多いのも事実です。

結論から言えば、ベトナムオフショア開発で日本品質を実現することは可能です。
ただし、それには「丸投げ」ではない「正しい向き合い方」と「オフショア特有の管理ノウハウ」があってこそ成り立ちます。

本記事では、数多くのオフショアプロジェクトを成功させてきた弊社モアアジアの知見をもとに、日本品質を担保するための5つの秘訣と、失敗を避けるための具体的な向き合い方を解説します。

本当にベトナムで「日本品質」は実現できるのか?

現在、ベトナムは国を挙げてIT人材の育成に注力しており、毎年数万人のIT専攻卒業生を輩出しています。かつての「単純なコーディング作業の代行」というステージは終わり、現在では設計、上流工程、AI開発やブロックチェーンといった先端技術にも対応できる優秀な層が厚くなっています。

また、他の国と比べてベトナムが日本企業から選ばれる理由は、「日本語を話せる人材が多い」「親日国として有名」「日本企業進出の多さ」などが有名です。そのため、日本文化や日本品質に慣れた人材が現地に多いのが特徴です。
これらの理由から、ベトナムは他国と比較して、「日本品質」を実現しやすい国として優位性があると言えます。
なぜオフショア開発にベトナムがおすすめなのかの記事はこちら

「日本品質」の定義を明確にする

オフショア開発で言う「日本品質」とは、単にバグがないことだけを指すのではありません。

・仕様の行間を汲み取る理解力
・期限遵守と進捗報告の透明性
・ユーザー視点に立ったUI/UXの提案
・認識のズレが少ない
・改修・保守を見据えた設計

といった、プロセス全体の品質を含みます。これらを「ベトナムだから仕方ない」と諦めるのではなく、仕組みによって再現させることが、現在のオフショア開発のスタンダードです。

失敗の原因は「国」ではなく「設計」

ベトナムオフショア開発で失敗するケースの多くは、「ベトナムだから品質が低い」のではありません。

実際には、
・要件が曖昧なまま丸投げしている
・日本側の役割が不明確
・品質基準を共有していない
・コミュニケーション設計が甘い
といった発注側・体制設計の問題が原因であることがほとんどです。

つまり、適切な設計と運用ができれば、日本品質は十分に実現可能だと言えます。

正しいオフショア開発との向き合い方

秘訣を解説する前に、発注側(日本側)が持つべきマインドセットが3つあります。
ここを間違えると、どんなに優秀なベンダーを選んでも失敗します。

1. 「外注」ではなく「パートナー・自社チーム」と捉える

「お金を払っているのだからやって当然」という姿勢では、ベトナム側のモチベーションは上がりません。彼らを「自社の一部門」として扱い、事業のゴールや「なぜこの機能が必要なのか」という背景を共有することが、品質向上への第一歩です。

2. 日本特有の「空気を読んでもらう・行間を読んでもらう」は捨てる

日本の開発現場で通用する「いい感じにお願いします」は、オフショアでは通用しません。実際には、日本国内でも属人化しやすい表現と言えるでしょう。

・言葉の定義を統一する
・図解を多用する
・「はい」という返事が「理解した」なのか「ただ聞こえた」なのかを確認する

この徹底した言語化が、品質の土台になります。

3.  スモールスタートで「信頼の土台」を作る

いきなり大規模な基幹システムを依頼するのではなく、まずは小さな機能改修や切り出し可能なモジュールから開始し、お互いの仕事の進め方をチューニングする期間を設けると良いでしょう。

日本品質を実現する「5つの秘訣」

【秘訣1】「上流工程」の強化

日本品質を実現できるかどうかは、開発開始前の上流工程で8割が決まると言っても過言ではありません。オフショア開発で発生する不具合の多くは、コーディングミスではなく「要件の解釈ミス」に起因します。
日本品質を担保する鍵は、開発前の「上流工程」にあります。

・要件定義
・仕様整理
・業務フローの理解
・優先順位の明確化

これらが不十分なままオフショアに委託すると、「思っていたものと違う」「修正が多い」「品質が低い」といった問題が発生します。特に重要なのは、「なぜこの機能が必要なのか」まで伝えることです。
ブリッジSE(BrSE)を設計工程に深く関与させるのも有効でしょう。日本側が作成した設計書を渡すだけでなく、ブリッジSEに「逆プレゼン」をさせます。彼らが仕様を自分の言葉で説明できるまで徹底的に議論することで、実装段階での手戻りを防ぎます。

背景や目的を理解することで、ベトナム側も日本品質に近い判断ができるようになります。

【秘訣2】プロジェクト開始時点での「明確なルール決め」

プロジェクトが動き出してからルールを作るのでは遅すぎます。開始前の「キックオフ」段階で、以下のような運用ルールを「契約・規約レベル」で合意しておくことが重要です。

・コミュニケーション手段(Slack、メール、会議など)
・レスポンス時間の目安
・承認フロー・決裁権限
・成果物の定義と完了条件
・トラブル発生時の対応方法

「日本では当たり前」と思っていることほど、言語化が必要です。これらを最初に決めておくことで、後工程でのトラブルを大幅に減らせます。

【秘訣3】テストケースの精度向上と顧客確認プロセス

「動けば良い」ではなく「仕様通りに動く」を担保するのがテスト工程です。日本品質への信頼は、このエビデンスの積み重ねで作られます。
ベトナム側にテストケース作成を任せきりにせず、必ず日本側がレビューしましょう。開発の最後でまとめて確認するのではなく、機能単位(モジュール単位)でこまめに日本側がチェックする環境を整えます。テスト報告書には必ず「エビデンス(実行結果のスクリーンショットやログ)」を添付させ、透明性を確保するのがおすすめです。
「顧客確認プロセス」を挟むことで、完成後の大幅な手戻りを防ぎ、日本品質に近づけることができます。

【秘訣4】「定例会」の重要性と実践法

「週に一度の進捗確認」だけでは、オフショアのスピード感と認識のズレを制御できません。定例会は「報告の場」ではなく「リスク検知の場」と定義し、以下のようなことを行う場として機能させることが重要です。

・認識ズレの早期発見
・課題の可視化
・優先順位の再確認
・品質面の懸念共有

実践のポイントとしては、
・週1回以上の定例開催
・議題・アジェンダの事前共有
・議事録とToDoの明確化
・日本側が主導して方向性を示す
といった点が挙げられます。

定例会で決まった事項は、その場でドキュメント化し、画面共有しながらベトナム側と合意します。「言った・言わない」の論争を避けるため、MTG終了後すぐにテキストでエビデンスを残すことが、品質とスケジュールの安定に繋がります。

定例会を「作業報告の場」にしないことが、日本品質実現のカギです。

【秘訣5】振り返り会によるプロジェクト管理の最適化

一度決めたルールが常に正しいとは限りません。プロジェクトを「やりっぱなし」にせず、管理プロセス自体をアップデートし続けることが、最終的な日本品質の安定に寄与します。

定期的なKPTの実施
・Keep  :何がうまくいったのか、継続すること
・Problem:どこに課題があったのか、問題点
・Try   :次回どう改善するか

この改善サイクルを回せるかどうかが、「単発で終わるオフショア開発」と「長期的に成功するオフショア開発」の分かれ目になります。

「個人の責任」にせず「仕組みの改善」へ
ミスが発生した際、担当者を責めるのではなく「なぜそのミスが起きる仕組みだったのか」を議論します。この心理的安全性が、ベトナム側からの「自発的な改善提案」を引き出し、日本側が指示しなくても品質が上がる自走組織へと変化させます

ベンダー選定時に見るべき判断ポイント

最後に、これら5つの秘訣を共に実行できるパートナーを見極めるためのポイントを紹介します。ベトナムオフショア開発の成功は、ベンダー選びで8割決まると言っても過言ではありません。

・日本向け、日本企業向け開発の実績があるか
・上流工程、要件定義への関与が可能か
・日本語対応、BrSE体制があるか
 日本語レベルだけでなく、IT用語の理解度が高いか
・品質管理プロセスを説明できるか
 開発者とは別に、独立したQAチームを組織しているか
・小規模スタート、PoCに柔軟に対応できるか
・「安さ」だけを強調していないか
・セキュリティ体制
 ISMSやプライバシーマークの取得、またはそれに準ずる社内規定があるか?

これらを判断材料として確認することで、失敗リスクを大きく下げられます。

モアアジアの開発体制

弊社モアアジアでは、「ベンダー選定時に見るべき判断ポイント」に対して以下のような対応をしています。

・日本向け、日本企業向け開発の実績があるか
→世界中の様々な国との取引実績がありますが、メインのお客様は日本企業になり、支援実績が1番多いです。

・上流工程、要件定義への関与が可能か
→モアアジアには日本人PMが在籍しており、上流工程を担当することが可能です。

・日本語対応、BrSE体制があるか
→経験豊富で日本語堪能なBrSEが日本側にもベトナム側にも在籍しております。また、日本人PMや日本人デザイナー、日本人セールスが在籍。日本人セールスは、CSとしてお客様との定例ミーティングに参加することも可能です。

・品質管理プロセスを説明できるか
→品質管理専用のチームを設けており、日本の基準を反映した、独自の基準でテストを行っています。もちろん、お客様のご要望に応じてテストケースを作成することも可能です。

・小規模スタート、PoCに柔軟に対応できるか
→PoCから本開発まで貴社専属チームが一気通関で対応することができます。

・「安さ」だけを強調していないか
→コストメリットは重要ですが、それ以上に「日本国内のエンジニア不足をどう解決するか」がオフショア開発の本質的な価値です。「コスト」よりも「お客様満足度と品質」 、この優先順位を崩さず、日本品質を形にするための最適なエンジニアリングとマネジメントを日々追求しています。

・セキュリティ体制
→モアグループでは情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際規格である ISO/IEC 27001の認証を取得し、国際基準に準拠したセキュリティ体制を構築しています。
あわせて、ISO 9001、CMMIレベル3、ISTQBなどの各種認証も取得しています。
金融・業務系システムなど、セキュリティ要件が厳しい案件実績も多く、情報管理・開発環境のセキュリティ対策には力を入れています。

モアグループ集合写真

まとめ

ベトナムオフショア開発における「日本品質」は、決して実現不可能な高いハードルではありません。
本記事でご紹介した5つの秘訣を振り返ると、その核心は「ベトナム側の技術力」に依存するのではなく、「いかに曖昧さを排除し、透明性の高い管理プロセスを構築するか」という発注側の設計力にあることがお分かりいただけたかと思います。

上流工程の強化で、認識のズレを根絶する
開始時のルール決めで、運用の迷いをなくす
テストと確認の徹底で、エビデンスに基づいた品質を担保する
定例会でのリスク検知で、問題を未然に防ぐ
振り返りによる改善で、チームを自走化させる

ベトナムは今や、単なる「コスト削減の手段」ではなく、日本のビジネスを加速させる強力な「DXパートナー」へと進化しています。大切なのは、彼らを対等なパートナーとして信頼し、共に品質を作り上げるという姿勢です。

「自社のプロジェクトに最適な体制は?」「まずはスモールスタートで試してみたいんだけど…」といったご不安があれば、ぜひ一度、弊社モアアジアへご相談ください。

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